インドはインダス文明の担い手だったドラヴィダ族(黒肌)が、アーリア族(白肌)に征服されていく過程で生まれた国である。
アーリア族(白肌)はどラヴィア族(黒肌)を屈服させたあとに、肌で身分を分けた。
白肌は崇高で高貴であり、黒肌は劣っていて価値がないという身分制度である。ヴァルナで分けられた身分制度だ。
それをカーストと呼んで社会に定着させて、黒という色は「醜い」という意味を持たせるような徹底ぶりだったから、アーリア族の悪質さが分かる。
とは言っても、アーリア族はまったく躊躇なくドラヴィダとの混血を進めたから、もしかしたら実際には黒肌が劣っているとは思っていなかったのかもしれない。
本当に黒肌が「醜い」と思っていたのであれば、彼らと交わることなどなかったはずだ。
歴史はその逆の結果を見せつけている。インドほど白肌と黒肌の混血が進んだ国家はない。
口ではあれこれ言いながら、アーリア族はドラヴィダ族の女性が美しかったのを実は知っていたのだろう。これも、建前と本音の乖離であって、結果がすべてを物語っている。
インドでもっとも注意を惹くヒンドゥーの女神にシヴァの妃であるパールヴァティーがいる。
パールヴァティーは「白肌」だ。しかし、怒りに駆られると額が割れて、ドゥルガーという女神が飛び出して来る。
さらにドゥルガーが激怒していくと、今度は正真正銘の「真っ黒の神」であるカーリーに変異していく。
これはパールヴァティー(白肌)からカーリー(漆黒)の順番で語られている。
しかし、歴史から見ると逆だろう。
ドラヴィダの黒がアーリアの男の血を受けて白肌になっていったのだ。
だから、パールヴァティー(白肌)がカーリー(黒肌)になっていくのは先祖帰りであって、元々は「黒」がルーツなのだということを如実に示している。
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| 白肌のパールヴァティー |
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| 黒肌のカーリー |
ドラヴィダ族は征服されたのだから、内心では怒り狂っているのは当然だ。
カーリーが怒り狂っているのは、そういった歴史の悲哀がそこに静かに込められているのであろうと私は推測している。
黒は白に変えられた。そして、白は崇拝されている。
しかし、インド圏で白が美しいというのは、白い肌の人が歴史の闘争に勝ったからであって、それ以外の何者でもない。
白い肌の人々が負けていれば、白が醜いヴァルナになっていたはずだ。